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新NISAスタート。どっちがお得?  不動産投資 VS 株式(投資信託)投資

2024年09月03日

 高い注目を集めている新NISA制度。24年1月からスタートしました。
 「投資って、不動産投資と株式投資、どっちがよいの?」という質問があります。なかなか答えに窮する質問ですが、「一長一短」というのが、正直な回答かと思います。

 今回は、簡単に不動産投資と株式投資を比較してみようと思います。ただ、「不動産投資」、「株式投資」と一言でいっても、様々なタイプの投資手法がありますので、あくまで基本的な比較ということが前提となります。

 

換価性が高い株式・投資信託投資
 株式や投資信託は、「換価性」「換金性」が高いというのが、一つの特徴だと思います。
 不動産は、売却するまでに、
  ①仲介会社が活動し買主の選定
  ②名義変更の際に、司法書士へ依頼のうえ、法務局で手続き
  ③融資で不動産を購入している場合は、その返済手続きから抵当権抹消手続等が必要
 手続きや書類の数も多く、早くても数か月単位の時間がかかるイメージです。仲介会社・司法書士などの専門家の手が必要だと思いますし、依頼すれば、その費用が発生します。
 一方、株式投資や投資信託では、証券会社の手数料が発生しますが、数日で換金が可能な場合があります。

 

レバレッジの大きい不動産投資

 不動産投資のメリットは、レバレッジの大きさだと思います。
 株式投資についても、信用買いなどでレバレッジを利かせる手段はありますが、限定的で、尚且つ、規制も大きいです。不動産については、購入した土地や建物自体に担保価値が生まれるため、長期的な目線で金融機関が融資付けして、不動産投資を行うことができます。
 年々、融資状況も変わってきていますが、たとえば、不動産投資であれば、数年前(2015~18年頃)であれば、手続きの諸費用を支払えば、不動産物件購入金額全額を金融機関が融資してくれることもありました。近年は、頭金2~3割程度などと言われており、仮に、5,000万円の物件を購入するなら、頭金2~3割の1000~1500万円の手続費用、約500万円が発生します。

 フルローンが出ていた時期には、レバレッジが大きいと言いやすかったのですが、近年の融資実務では、株式の信用取引でも約3倍程度のレバレッジをかけられるので、数字上は、レバレッジの差が小さくなったとも言えてしまうかもしれませんね。

キャピタルゲインとインカムゲイン
 インカムゲイン(Income Gain)は、資産を保有していることで得られる利益のことを指します。キャピタルゲイン(Capital Gain)は、資産の売却によって得られる利益のことを意味します。
 不動産投資の場合で例を挙げると、アパートを保有して賃料を得ていくと、インカムゲインを得ているということになります。他方、不動産投資は、土地を買って、マンションを建てて、売却益を得るというスキームだと、キャピタルゲインを得ているということになります。
 昔ながらのイメージだと、株が売却差益であるキャピタルゲインがメインで、不動産投資はインカムゲインがメイン。「株式投資は短期で稼げるが、リスクが高い」、「不動産投資は、長期的な目線だが、安定して稼げる」、というイメージでした。しかし、ここ数年は不動産投資でも、買った土地にマンションを建てて売る、といったディベロッパー的な手法も流行しましたし、株式投資もキャピタルゲインだけではなく、高配当株や配当を組み込むタイプの投資信託を長期保有するなど、インカムゲインを得る手法も出てきました。そのため、不動産投資と株式投資を比較した場合、大きな違いは、やはり換価性の違いとレバレッジの大小という印象です。

 

 不動産投資には、必要な知識として、不動産それ自体の目利きはもとより、融資付け、税金面、トラブル対応のための法的な知識など、不動産だけでなく周辺知識も把握する必要があります。他方、株式投資については、株そのものの知識があれば、基本的には証券会社を通すことで、手続き自体は問題なくできると思います。

 

結局、どちらがよいの?
 「投資に、一義的な正解はない」というのが、正直な感想です。
 最終的には、ご自身の性格的に合うか、投資の目的、回せる投資への資金、取れるリスクの許容度等から、ご自身に合ったものを選んでいくのがよいかと思います。