2023年03月17日
〈問題事例〉
Eコマース会社では、卸売会社、輸入品販売会社などと、継続的な取引契約を締結することが多いです。もっとも、継続的取引契約では、契約の大枠を定める契約内容であるため、契約書の確認が杜撰になっている契約書も散見されます。
〈注意すべきポイントとは〉
継続的取引基本契約では、①送料の負担、②送付先指定の取り決め、③最低取引数量および取引単価、④在庫商品の取り扱い方法、⑤納品された商品に瑕疵があった場合、など、細かそうに見えて、確認検討すべき点が多々あります。
①②の送料や送付先指定の条項によっては、契約書に取り決めがあるかどうかによって、今後、数年間におよぶ取引に影響を与えますので、細かな金額だと思っても長期的には無視できないコスト削減につながってきます。③最低取引数量や取引単価については、契約の中心的なものといえるでしょう。仕入れ先であるEコマース側としては、小ロットの契約にしておいたほうが柔軟性は高まりますし、逆に最低取引数量が大きいのであれば全体的に値引きを交渉するなど、契約の重要な要素と言えるでしょう。④在庫商品、⑤商品の瑕疵の問題なども、問題が起こった後には双方自社の利益を重視して、なかなか合理的な解決が難しいので、先にトラブルを想定して取り決めておく必要があるでしょう。
〈顧問弁護士がいたら…〉
契約書は、相手との関係性の中で条件を交渉していくべき必要があります。弁護士目線で、会社の利益を守る提案を行うのは大前提として、メリハリをつけて、「危険な条項だから、絶対にこの条件だけは死守してください。」、「①、②、③とりあえず提案してみて、対案をだされたら、③は譲って、①・②が通せれば十分かと思います。」「御社が提案すると角が立つかもしれませんので、『この点は~~という理由で、顧問弁護士からどうしても条件をつけるように言われた。』と交渉してください。」など、法的に必要な情報を伝えて終わりではなく、その情報をもとに交渉できるようにバックアップいたします。