2025年02月13日
企業活動を行う中で、予期せぬトラブルに直面することがあります。その中でも、警察からの照会事項への対応は、適切に処理しなければ企業の信用や法的リスクに影響を与える可能性があります。
この記事では、警察からの照会対応の重要性や、顧問弁護士のメリット、対応が難しい理由と解決方法について詳しく解説します。さらに、顧問弁護士契約を検討する際のポイントも紹介します。
1. 警察からの照会対応|企業に求められる適切な対応とは?
警察からの照会事項とは、企業に対して捜査の一環として提供を求められる情報や資料を指します。これには、従業員や取引先の情報、契約内容、経理記録などが含まれる場合があります。
適切な対応が求められる理由
顧客情報などは顧客との関係で個人情報保護法との兼ね合いがありますし、企業秘密に該当するような事項をどこまで提出しなければならないのか、非常に判断が難しい部分があります。そのため、警察からの照会事項には基本的には協力したほうがよいものの、どこまでの範囲の情報を出すべきなのか、不安に思われることが多いです。
顧客情報は、個人情報保護法を心配される方が多いですが、基本的にこちらは大丈夫です。警察からの照会事項であれば、以下のように「法令に基づく場合」ということで、同意なく提供することが可能です。
ただし、近年は巧妙な詐欺も多いため、本当に警察からの照会事項なのかどうか、チェックした上で情報開示する必要があるでしょう。通常警察の書式などを目にする機会は少ないでしょうから、弁護士の目が入っていれば不自然な点がないかチェックすることが可能です。
【個人情報保護法】
(第三者提供の制限)
第二十七条個人情報取扱事業者は、次に掲げる場合を除くほか、あらかじめ本人の同意を得ないで、個人データを第三者に提供してはならない。
一法令に基づく場合【刑事訴訟法条文 197条2項・5項】
第百九十七条捜査については、その目的を達するため必要な取調をすることができる。但し、強制の処分は、この法律に特別の定のある場合でなければ、これをすることができない。
②捜査については、公務所又は公私の団体に照会して必要な事項の報告を求めることができる。
⑤第二項又は第三項の規定による求めを行う場合において、必要があるときは、みだりにこれらに関する事項を漏らさないよう求めることができる。
不適切な対応のリスク
誤った対応をすると、以下のリスクが発生する可能性があります。
・法令違反:不適切な情報提供が違法となる場合がある。
・信用失墜:従業員や取引先からの信頼を損なう。
・法的トラブル:後日、情報提供に関して訴訟が提起されるリスク。
企業には、警察の要請に迅速かつ適切に応じつつ、企業の権利や機密情報を保護する対応が求められます。詐欺会社に個人情報を提供して拡散されたりすれば、企業の信用失墜の影響は小さくないものになるでしょう。
2. 顧問弁護士のメリット|迅速で適法な対応を実現
警察からの照会事項への対応において、顧問弁護士の存在は大きなメリットをもたらします。
法的根拠の確認と適切な対応
顧問弁護士は、警察からの照会が法的に適切なものであるかを確認します。不適切な照会に対しては、法的根拠を求めるなどして、企業が不利益を被らないよう対応します。
迅速な対応で企業リスクを最小化
警察からの照会は、迅速な対応が求められることが一般的です。顧問弁護士が常に企業の状況を把握していれば、即座に適切なアドバイスを提供し、リスクを最小限に抑えることができます。
法的トラブルの防止
顧問弁護士が情報提供の内容や範囲を適切にチェックすることで、後日発生する法的トラブルを防ぐことが可能です。
一般的に警察への対応という点では、弁護士に頼るほかないかと思います。
企業の警察からの照会事項への対応は、一般的な「刑事弁護」とは、似て非なるものですので、刑事専門というよりも、企業法務に注力しながら企業法務の一環として刑事事件対応もやっているような弁護士を選択するとよいかと思います。
3. 照会事項への対応が難しい理由と解決方法
企業が警察からの照会に対応する際、次のような困難が生じることがあります。
対応が難しい理由
①法的根拠の不明確さ
照会の内容が適切かどうか判断できないケースがあります。
②情報漏洩リスク
企業の機密情報や従業員のプライバシーが絡む場合、慎重な対応が必要です。
③経験不足
警察対応に慣れていない企業担当者が対処すると、誤った判断をしてしまう可能性があります。
解決方法
①顧問弁護士の活用
照会内容を確認し、提供すべき情報の範囲や対応方法について適切なアドバイスを受けられます。
②内部体制の整備
顧問弁護士と連携して、警察対応マニュアルを作成することで、担当者が迷わず対応できます。
③定期的な法務相談
定期的に法務相談を実施し、警察対応に関する最新の知識やノウハウを蓄積しましょう。
4.顧問弁護士契約を検討する際のポイント
顧問弁護士を導入する際は、以下のポイントを確認することが重要です。
専門性と実績
企業法務や警察対応の実績が豊富な弁護士を選びましょう。特に、過去に警察照会への対応を行った経験がある弁護士は頼りになります。
契約内容と料金体系
顧問弁護士契約の料金体系は、月額固定制やスポット対応型などがあります。契約内容や料金の透明性を確認し、企業のニーズに合った契約を選びましょう。
コミュニケーションの重要性
顧問弁護士とスムーズに情報を共有できることが重要です。気軽に相談できる雰囲気や迅速な対応力も弁護士選びのポイントとなります。
5.トラブルゼロを目指す。企業に必須の法務サポート
警察からの照会対応を含め、企業活動におけるトラブルを未然に防ぐには、顧問弁護士の法務サポートが欠かせません。
顧問弁護士の定期的なサポート
顧問弁護士が日常的に企業活動をチェックすることで、法的リスクを予防できます。契約書や社内規定の見直し、従業員トラブルの相談など、幅広いサポートを受けられます。
安心して企業運営を行うために
企業が安心して業務を行うためには、法的リスクへの備えが必要です。顧問弁護士がいれば、警察対応だけでなく、取引先や従業員とのトラブルにも迅速に対応でき、企業の成長をサポートします。
まとめ
警察からの照会対応は、企業にとって適切な判断と迅速な行動が求められる重要な局面です。顧問弁護士のサポートがあれば、法的リスクを最小限に抑えつつ、迅速かつ適法な対応が可能になります。
トラブルを未然に防ぎ、安心して企業運営を行うために、ぜひ顧問弁護士の導入を検討してください。
法律相談を受け付けておりますので、法務サポートについてお悩みの際はお気軽にお問い合わせください。
【弁護士のコメント】
警察からの照会事項への対応は、慣れている企業はほとんどなく、経営者の方がかなりストレスを溜めながら対応している事項だと思います。近年のコンプライアンス意識の上昇からすれば、警察への照会事項への対応もコンプライアンス遵守の一環として、対策を講じておいた方が良いと思います。
実際には、「参考情報」を聞きたく証人として接しているのか、何かしらの犯罪に巻き込まれており「被疑者候補」として疑われているのか、によって対応方法も変わってきます。
また、警察への対応には、企業活動を止めて、時間や労力が発生する可能性もあり、このような調整も警察からの照会事項への対応に慣れている弁護士が間に入れば、スムーズに調整できることもあります。
顧問弁護士の中核的な役割ではないかと思いますが、コンプライアンス対策の一環として、警察への対応にも協力できることを知っていただければと思います。
【監修:弁護士法人山村法律事務所】