2025年03月04日
はじめに
企業が事業を展開する過程で、警察からの情報照会に対応する場面が増えています。このような場合、適切な対応を怠ると法的リスクや企業の信頼低下につながる可能性があります。企業の法的リスクを最小化するためには、顧問弁護士の適切なサポートが不可欠です。
本稿では、Eコマース会社および不動産管理会社における具体的な事例を通じて、顧問弁護士のサポート内容と実務上のポイントを解説します。
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顧問弁護士が企業を守る。警察からの照会事項にも、安心の法務サポート
事例1:Eコマース会社の顧客のクレジットカード不正利用に関する警察からの照会対応
背景
Eコマース企業において、顧客のクレジットカード情報が不正利用された事案が発生し、警察から関連情報の照会を受けました。このようなケースでは、迅速かつ適法な対応が求められます。
顧問弁護士のサポート内容
1. 刑事訴訟法に基づく対応
-
- ○照会の法的根拠として、刑事訴訟法第197条第2項を確認。
「検察官、検察事務官又は司法警察職員は、捜査のため必要があるときは、関係人に対し、必要な報告又は資料の提出を求めることができる。」
-
- ○照会の正当性を確認し、不当な情報提供要求への対応方針を策定。
- 2. 情報開示の範囲の精査
- ○機密情報や過剰な個人情報が含まれないよう、警察からの照会内容を精査。
- ○顧客のプライバシー保護を確保しつつ、必要最小限の情報を提供。
- 3. 社内対応の指導
- ○社内の法務部門と連携し、適切な文書管理と記録保存の手続きを指導。
- ○社員向けに警察対応時の注意点や従業員の不安を減らす研修を実施。
事例2:不動産管理会社の賃借人に関する警察からの照会対応
背景
不動産管理会社が管理する物件の賃借人が犯罪に関与している疑いがあり、警察から情報照会を受けました。不動産管理業務においては、個人情報保護の観点から慎重な対応が求められます。
顧問弁護士のサポート内容
1. 個人情報保護法に基づく対応
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- ○個人情報保護法第27条第1項第1号を根拠として、警察への情報提供の適法性を確認。
「法令に基づく場合、人の生命、身体又は財産の保護のために必要がある場合であって、本人の同意を得ることが困難であるときには、個人情報を第三者に提供することができる。」
-
- ○情報提供の前に社内で適法性の二重チェック体制を構築。
- 2. 情報提供の範囲の明確化
- ○不要な個人情報の開示を避け、照会内容に基づく必要最小限の情報を提供。
- ○提供した情報についての記録管理と社内での情報共有を徹底し、透明性を確保。
- 3. 警察とのコミュニケーション支援
- ○企業担当者が警察とやり取りする際のポイントを助言。
- ○書面による回答の作成を支援し、法的な整合性を確保。
- ○必要に応じて弁護士が直接警察対応を行い、企業担当者の負担を軽減。
まとめ
警察からの照会対応において、顧問弁護士は法的根拠に基づく正確な助言を行い、企業が法令順守と情報保護のバランスを取ることをサポートします。また、適切な対応は企業のコンプライアンス体制強化にも寄与します。
本稿で紹介した事例を参考に、企業は適切な体制整備と社内教育を進め、リスク管理能力を向上させることが重要です。
【弁護士の一言】
近年、個人情報の取り扱い、コンプライアンス意識は非常に高まっています。警察のように公的な機関であってもどの範囲で情報を提供したほうが良いのか、個人情報保護および企業秘密との兼ね合いでも、難しい判断を強いられる局面が多々生じます。
顧問弁護士のサポート内容としては中心的なものではないかと思いますが、情報照会への回答のサポートというのは一定程度生じます。今回は警察からの照会を取り上げましたが、裁判所や弁護士からの照会という手続も存在します。当事者でないにもかかわらず、情報の取り扱いについてストレスや労力がかかるのが嫌だとのお声を聞くことは多く、顧問弁護士がいれば、この点をスムーズに解決できることが多いと思います。
【文責:弁護士法人山村法律事務所】