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【2025年、建設業法改正に対応】建設資材の高騰・人件費の値上がりに伴う追加工事費用請求に関する注意点やトラブル防止方法を横浜の弁護士が解説

2025年02月21日

追加工事費用を確実に請求するためのポイント

近年、建設資材の高騰や人件費の値上がりにより、当初の見積もりではカバーできない追加費用が発生するケースが増えています。

特に、元請業者との契約内容によっては、追加工事費用を請求できるかどうかが変わるため、慎重な対応が求められます。また、2025年中には改正建設業法の施行が予定されており、改正点の1つとして資材高騰に伴う請負代金等の「変更方法」を契約書の法定記載事項として定めることとしました。また、労務費へのしわ寄せを防ぐため、資材高騰が生じるおそれがあると認めるときは、請負契約の締結をするまでに受注者から注文者に対して、関連する情報(「おそれ情報」)を必要な情報として通知しなければならないこととしました。

この場合、実際に資材高騰が生じたときは、受注者から注文者に対して請負代金の変更協議を申し出ることができ、注文者は当該協議に誠実に応じるよう努めなければならないこととなります。これらにより、価格変更協議が促されることとなります。

 本記事では、追加工事費用を適正に請求し、正当な報酬を確保するための注意点などを解説します。

※国土交通省からも資料や発表がございます。こちらもご参照ください。

https://www.mlit.go.jp/tochi_fudousan_kensetsugyo/const/tochi_fudousan_kensetsugyo_const_tk1_000001_00033.html

 

1、契約内容を確認する

まずは、元請業者との契約書を確認し、以下のポイントを押さえましょう。

  • ・契約の種類
    • 請負契約の場合、追加工事費用を請求できるかは契約内容により原則決められます。
    • 単価契約や実費精算方式であれば、費用の増加分を反映しやすくなります。
  • ・追加工事の合意手続き
    • 事前に元請業者と追加工事について合意が必要か確認する。
    • 口頭合意ではなく、書面やメールで記録を残す必要があるか。
  • ・物価変動条項の有無
    • 物価の変動による請求が可能な契約条項があるかを確認しましょう。
  • ※工事契約についてはこちらでまとめています。 
    • 2、追加工事の正当性を証明する

    追加工事費用を請求する際には、その必要性を明確に示すことが重要です。以下の証拠を準備しましょう。

    • ・建設資材の価格変動を示すデータ
      • 仕入れ業者の見積書や請求書などを提出するとより説得力が増します。
    • ・人件費の上昇を示す資料
      • 実際の労務費の支払い記録
    • ・追加工事の指示・変更内容の記録
      • 元請業者からの指示書、メールの履歴
      • 工事写真や施工報告書

    これらの資料をそろえることで、追加工事費用の妥当性を証明しやすくなります。

    3、追加工事費用の請求方法

    ・書面で正式な請求を行う

    追加工事費用の請求は、口頭ではなく書面(またはメール)で行いましょう。請求書には以下の内容を明記します。

    • ・追加工事の具体的な内容
    • ・追加費用が発生した理由(資材価格の上昇・人件費の増加など)
    • ・費用の明細と合計金額
    • ・契約書の該当条項(ある場合)
    • ・ 交渉時のポイント

      • 追加工事の必要性を説明し、理解を得るようにしましょう。
      • 発注者から一括で支払いが受けられない場合、分割払いなども検討してみてはいかがでしょうか。
    • ・法的措置も視野に入れる
    •  
      • 元請業者や発注者が支払いを拒否し連絡不能などに陥てしまった場合は、内容証明郵便を送付する方法をこちらの意志を伝える。
      • 工事代金の未払いに対して支払督促や訴訟も1つ選択肢に入るかと思います。
      • 4、追加工事費用のトラブルを防ぐために

      (1) 契約段階での対策

      • ・契約書に「物価変動条項」や「追加工事の精算方法」を明記する
      • ・追加工事発生時の合意プロセスを明確にする(書面での合意を義務付けるなど)
      • ・契約書のチェックを専門家に依頼する
      • ・工期や工事内容の変更が発生した際の対処方法を契約書に盛り込む
      • ・支払い期限や遅延時のペナルティを明記することで、未払いリスクを軽減する

      (2) 日常的な記録の徹底

      • ・工事の進捗・変更点を逐一記録する
      • ・契約書や合意書のデータ管理を適切に行う
      • ・発注者や元請業者とのやり取りはメールなど記録が残る手段で行う
      • ・追加工事の発生時に関係者間で確認書を作成し、後の紛争を防ぐ
      • ・施工中の写真や動画を定期的に記録し、証拠資料として活用する
      • ・支払いや精算に関する書類を一元管理し、適切なタイミングで請求する

      まとめ

      建設資材の高騰や人件費の値上がりに対応するためには下記に注意しましょう。

      1. 契約内容の確認(追加工事費用を請求できるか)
      2. 追加工事の正当性の証明(資料を整える)
      3. 適切な請求手続き(書面で正式に請求し交渉する)
      4. トラブル防止策の実施(契約書の見直し・記録管理)

      元請業者との交渉が難航する場合は、弁護士に相談することで、法的な対応も含めた適切な解決策を講じることができます。

      横浜市で建設業の契約トラブルにお悩みの方は、ぜひ当事務所までご相談ください。適切なアドバイスと法的サポートを提供いたします。

      お問い合わせはこちらからお願いします。問い合わせフォームに飛びます。

       

      【弁護士の一言】

       建築トラブルにおいて一番多かったと言っても過言ではないのが、契約締結後の追加工事代金トラブルです。契約時に工事代金を定めなければならないものの、建材費・人件費の高騰が生じて、追加工事代金を請求するものの施主が応じてくれず、破産するという企業も多数存在しました。これを踏まえて、建築基準法では、予め追加工事代金が発生する際の規定を置き、人件費や資材の高騰を明記しておきましょうという形で改正されました。実務的には、実際にどのような規定だとトラブルが起きずに施主と協議しやすいのかといった条項作成の問題と、実際に施主と協議する中で改正法の後押しによってスムーズに進むのかは、実務がどのように展開されていくのか注目だと思います。