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【建設業法改正2025】特定建設業許可が必要になる下請金額が引き上げ。横浜の弁護士が解説

2025年05月14日

こんにちは。本日は、20252月に施行された建設業法の改正について、特に「特定建設業許可」に関連する金額要件の変更点を中心に解説いたします。

 

近年の建設工事費の高騰を踏まえ、特定建設業許可をはじめとする各種の金額要件について見直すこととされました。

建設業を営む事業者にとって、自社がどの許可を取得すべきかは、日々の受注活動や契約実務に直結する重要な問題です。今回の改正は、特定建設業許可の必要となる「下請金額の基準」が見直されたもので、実務にも大きな影響を及ぼすと予想されます。

 

※国土交通省の案内もこちらから確認が可能です。

 

今回の建設業法改正で変更された主なポイントを以下の表にまとめます。

 

 

項目

改正前

改正後(2025年月施行)

特定建設業許可が必要となる下請金額

4,500万円以上(建築一式工事は7,000万円以上)

5,000万円以上(建築一式工事は8,000万円以上)

監理技術者等の専任が必要となる工事

4,000万円以上(建築一式工事は8,000万円以上)

4,500万円以上(建築一式工事は9,000万円以上)

施工体制台帳の作成義務が生じる工事

4,500万円以上

5,000万円以上

特定専門工事の対象となる金額

4,000万円以下

4,500万円以下

 

これまで特定建設業許可が必要だった案件でも、今回の改正により一般建設業許可で対応可能となる場面が増えます。逆に、受注額が増加している事業者は、新基準でも特定建設業許可の取得が必要になる場合があるため、再チェックが不可欠です。

 

その他、2025年に改正予定の建設業法についてこちらの記事にまとめました。宜しければご覧ください。

 

ここからは、特定建設業許可を取得するための要件を簡単に見ていきましょう。

 

特定建設業許可の許可要件について

1、常勤役員等の設置

建設業の経営業務を総合的に管理し、対外的に責任を負う人を設置する必要があります。

以前、経営業務の管理責任者と呼ばれていました。常勤役員等になるためには5年以上の建設業の経営経験が必要などいくつかの要件があります。

 

2,1級建築施工管理技士、1級土木施工管理技士、など専門性の高い営業所専任技術者の設置。

一般建設業許可の営業所専任技術者の要件と比べるとより専門性の高い技術者を配置することとされています。

 

3、財産的基礎要件を満たしていること。

欠損の額が資本金の額の20%を超えていないこと。流動比率が75%以上(流動資産÷流動負債)。一定額の資本金や自己資本があること、など財産的基礎要件をクリアしていること。

 

その他にも営業所の設置、社会保険の加入、など要件も細かく決まっております。

 

特に常勤役員等と営業所専任技術者については要注意です。

例えば、営業所専任技術者が会社を辞めてしまい他の営業所専任技術者を設置できないと建設業許可の取り消し事由になります。資格者の管理をおこなうと同時に会社で資格取得推奨制度を設けるなど、営業所専任技術者がいなくなってしまったという事態にならないように心掛けましょう。

 

【弁護士の一言】

弁護士目線でも非常に複雑な規制だと思いますが、今回の改正の根本は、「建材の高騰」等による「建築費の高騰」を、国交省としても法改正まで含めて織り込まなければならない時代だと判断した上での法改正という点が重要だと思います。当然、建設業者としては、法令改正に適宜対応していく必要がありますが、今回の法改正は、建築費高騰に対応して、一部規制が緩和されているという内容での法改正です。

 現実に合った相談としても、近隣から建設業法違反のクレームがはいり、弁護士が実際に調査するとクレームにそった違反が認められたような事例もありました。建設業法の適合性判断は非常に難しい問題なので、コンプライアンス体制の強化も含めて、「なんとなく」やっている事業者としては、一度、建築業に詳しい弁護士にコンプライアンス体制の確認を依頼するのもよいと思います。

 

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