2025年08月25日
経理代行業は、業務の効率化ニーズの高まりとともに拡大を続けています。一方で、顧客企業の経理情報を取り扱う立場として、契約内容の不備や個人情報の管理、税務業務との線引き、法改正への対応など、多くの法的リスクを抱えているのも事実です。
これらのリスクに気づかないまま業務を進めると、税理士法違反や情報漏洩トラブル、下請法違反の指摘といった深刻な事態に発展することもあります。本記事では、経理代行業者が直面しやすい法的リスクとその回避策を整理し、弁護士が提供できる具体的なサポートを解説します。法務体制を整えることで、他社との差別化やクライアントからの信頼向上にもつながります。業務の幅を広げたい経理代行業者、法務対応に不安のある方は、ぜひ参考にしてください。
経理代行に潜む法的リスクと、弁護士が果たす役割契約、個人情報、下請法 ― 見落とされがちなリスクの正体
経理代行業者は、業務委託契約や請負契約の下で記帳や振込などを行いますが、「契約書が簡素」「秘密保持契約がない」「下請法の対象業種であることを知らない」といった法的リスクを抱えているケースは少なくありません。また、顧客の会計データや従業員情報などの取り扱いに際しては、個人情報保護法やマイナンバー制度への対応も不可欠です。加えて、電子帳簿保存法やインボイス制度など、新制度にも目を配る必要があります。
弁護士による“リスクの見える化”と実務的な対策支援弁護士は、契約書や業務スキームを精査し、どこにリスクがあるかを可視化しながら、改善策を実務目線で提案します。事前に防波堤を築いておくことで、万一のトラブルにも冷静に対応でき、事業継続性と信頼性の強化につながります。
法改正対応で遅れを取らない ― 弁護士がもたらす安心感
経理業務を揺るがす制度変更に、現場が追いつかない現実
インボイス制度、電子帳簿保存法、マイナンバー関連法、社会保険の適用拡大など、経理に関連する法制度はめまぐるしく変化しています。こうした改正のたびに、業務フローの見直しや顧客対応が必要となり、現場では「正しい対応が分からない」「説明資料がつくれない」といった声も上がります。 弁護士が支える“納得できる運用”と“信頼される説明体制”
弁護士は、単なる制度解説ではなく、法改正の背景やリスク、影響範囲まで踏まえて実務に落とし込む支援が可能です。
さらに、顧客への説明資料の作成や契約書の改訂にも対応でき、「法改正に強い経理代行業者」としての評価向上にも貢献します。
委任契約書の整備は必須 ― 税理士法違反防止とリスク限定のために
経理代行業務を行う際は、業務の範囲を明確に定めた委任契約書の整備が極めて重要です。とりわけ注意すべきは、「記帳代行」や「給与計算」など本来許容される業務と、税務代理や申告書作成といった税理士の独占業務との線引きです。
この点が曖昧なまま契約書を結んでいると、知らずに税理士法違反となるリスクすらあります。また、経理代行ではクライアントの多額の資金や機密情報を取り扱うことがあり、万が一の入力ミスや不正アクセス、誤送金といった事態が発生した場合、損害賠償を請求されるリスクも想定しなければなりません。そのため、委任契約書には、故意・重過失を除く場合の損害賠償額の上限規定を設けておくことが、リスクマネジメント上不可欠です。
これらの契約内容を自社で整備するのは困難であり、税理士法・契約法・個人情報保護法などに精通した弁護士の関与のもとで作成・見直しを行うことが望ましいといえます。適切な契約書の整備は、業務の安全性と信頼性を担保し、顧客とのトラブルを未然に防ぐ重要な一歩です。
まとめ ― 経理代行にこそ、弁護士の力が活きる場面がある
経理代行業者は、契約・個人情報・税理士法との線引き・法改正対応など、日常業務の中に多くの法的リスクを抱えています。弁護士は、こうしたリスクの洗い出しや業務フローの整備にとどまらず、サービスの高付加価値化や内部統制の体制づくりにも貢献できます。「うちも、少しリスクがあるかも…」そんな気づきがあれば、まずは気軽に弁護士にご相談ください。弊所では、経理代行業の顧問業務対応実績もございますし、隣接業種の税理士の委任契約書作成も複数対応しており、経理代行・税理士業の境界線について十分なノウハウを有しております。顧問契約をご検討中の方には、初回相談を無料で承っております。
【弁護士の一言】
経理代行業は、税理士業務の隣接業であった記帳代行から派生して現在、「経理部のアウトソーシング」という位置づけとして増えている業種です。実際に弊所では経理代行業の顧問業務対応を継続させていただいておりますが、①多額の損害賠償、②税理士業との境界を明確にする委任契約書の作成は必須だと思いますし、その上で、各企業との資料の引継ぎ、解約時の書類返却等の段取りなど、実際には、細かな部分の法的フォローが不可欠な業態だと思います。
弊所ではすでに経理代行業に対する顧問弁護士業務を継続させていただいておりますので、その際に培ったノウハウにて、経理代行業への手厚いサポートが可能です。契約書のやり取り等でクライアント企業とご負担になっている企業は、弊所に気軽にご相談いただけると幸いです。
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