TEL045-211-4275

営業時間:10:00~17:00 定休日:土日祝日

〒231-0005
神奈川県横浜市中区本町3丁目24-2
ニュー本町ビル 6階

横浜の弁護士が解説!建設業法の改正について(2025年施行予定)

2024年12月24日

今回の記事では2025年施行予定の建設業法の改正点について解説致します。今回の主な改正点は3点です。

国土交通省のホームページでも資料等が発表されています。

  • 1、労働者の処遇改善

  • 2、資材高騰に伴う労務費へのしわ寄せ防止

  • 3、働き方改革と生産性向上

 

建設業は、他の産業と比較して賃金が低く、就労時間も長いため、担い手の確保が困難と言われています。

時間外労働規制等にも対応しつつ、処遇改善、働き方改革、生産性向上に取り組む必要があり今回の改正に至りました。1つずつ見ていきましょう。

労働者の処遇改善

1、建設業者は、その労働者が有する知識や能力についての公正な評価に基づいて適正なお給料を支払うこと、労働者の適切な処遇を確保するための措置を効果的に実施するよう努めなければならないとする努力義務化を課すとともに、国は当該処遇確保に係る取組状況を調査、公表、中央建設業審議会へ報告するとされました。

※中央建設業審議会とは、「建設業法」、「公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律」等に基づき、経営事項審査の項目と基準について、建設工事の標準請負契約約款について、などを審議する議会です。

 

2、労務費等の確保と行き渡りのため、中央建設業審議会が「労務費の基準」を作成・勧告することとし、受注者及び注文者の双方に対して著しく低い労務費等による見積り書の作成や変更依頼を禁止するとしました。違反発注者には国土交通大臣等または都道府県知事が勧告をおこなうとされています。

 

  • 3、受注者における不当に低い請負代金による契約締結を禁止されました。

※労働者の残業規制(俗に言う2024年問題)についてはこちらの記事にまとめております。

  • 資材高騰に伴う労務費へのしわ寄せ防止

1,主要な資材の供給の著しい減少や資材の価格の高騰など、請負代金や工期に影響を及ぼす事象(リスク)がある場合、請負契約の締結までに受注者から注文者に通知するよう義務化されました。また、資材価格変動時における請負代金等の「変更方法」を契約書の記載事項として明確化。

2、注文者に対し、当該リスク発生時は、請負契約締結前の段階で誠実に協議に応ずることが努力義務化されました。

 

※工事契約のリスクや対策についてまとめました。

横浜の建設業者必見。工事契約の不履行リスクと弁護士による対策解説

働き方改革と生産性向上

1、⾧時間労働を抑制するため、今回の建設業法等改正により、建設工事を請け負う建設業者の側においても、著しく短い工期による契約締結禁止とされました。また、著しく短い工期による契約締結を受注者にも禁止されました。

 

2、ICT活用等を要件に、現場技術者に係る専任規制が緩和されました。また、公共工事においてICTの活用で施工体制を確認できれば施工体制台帳の提出を省略可するとされました。

 

3、ICT活用による現場管理の「指針」を国が作成し、特定建設業者や公共工事受注者に対し、情報システムやICTの利活用を促進し効率的な現場管理を努力義務化しました。

 

以上、簡単ですが改正の概要をピックアップしました。今後も建設業界は厳しい局面が続くと思います。人材の確保及び法的リスクも考えつつ行動していきましょう。

 

【弁護士のコメント】

 “資材価格変動時における請負代金等の「変更方法」を契約書の記載事項として明確化”というのが、一番注目です。現に、請負契約では、契約締結後の資材高騰等により、追加工事代金トラブルが多発しています。そのため、「変更方法」を事前にあらかじめ記載事項として明確化しておくというのは重要な取り組みだと思います。もっとも、具体的にどのような規範、取り決めが商慣習上取り入られていくのは非常に注目しています。

 

ご相談をご希望の場合、お問い合わせページよりご連絡ください。

 

お問い合わせ