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リーガルチェックは本当に必要?弁護士が解説します。

2024年11月12日

中小企業が日々直面する契約書の不備や下請・元請とのトラブルは、経営にとって大きなリスクとなり得ます。契約に関するリーガルチェックを怠ることは後に大きな問題を引き起こす原因となります。このブログでは、中小企業がどのようにして契約トラブルを未然に防ぐか、弁護士の視点からわかりやすく解説します。

契約書チェックの重要性

契約書はビジネス取引を行う上での重要なルールブックです。不備があれば、後で双方の認識違いからトラブルに発展することが多くあります。

例えば、納期に関する不明瞭な取り決めや責任の範囲の曖昧さは、取引の進行を妨げる大きなリスクです。事前に弁護士によるリーガルチェックを受けることで、これらの不備を発見し、未然に防ぐことができます。

契約書には取引条件、業務範囲、責任の分担など、双方が守るべきルールが詳細に記載されています。しかし、細かい条項が含まれているために、契約の当事者が全てを正確に理解するのは難しいことがあります。その結果、契約内容の解釈を巡ってトラブルが発生する可能性もあります。契約書は契約者双方が理解している必要があります。

リーガルチェックを通じて、こうしたリスクの回避可能性が高まります。弁護士は、契約内容が公正かつ双方にとって合理的であることを確認し、将来のトラブルの火種を取り除く役割を果たします。

もし、裁判所を通した手続きを検討されている方は裁判所で、困ったときにできること ~民事訴訟の3類型~

の記事で民事訴訟の類型について解説しておりますのでご覧ください。

さらに、契約書をレビューする際には、取引に伴うリスクを総合的に評価し、必要に応じて修正提案を行うことで、企業にとって最適な条件を確保することができます。こうした予防的な取り組みにより、企業は安心して事業を進めることができ、信頼できる取引関係を構築することが可能になるでしょう。

実際、ある企業が新規取引先と契約を締結する際に、弁護士によるチェックを行った結果、相手方の提案する条件に不平等な項目が含まれていることが判明しました。このように、弁護士のチェックを通じて不利な条件を排除することが可能です。

また、契約の段階で問題点を解消することで、将来的な訴訟リスクの軽減にもつながります。契約書の内容を正確に把握し、リスクを未然に防ぐことは、企業の安定的な経営に欠かせない要素です。

 

建設業界の現状

弊所の得意分野の1つである建設業界では、下請と元請の関係においてトラブルが頻発します。

例えば、工期の遅延に対する責任や追加工事の対応をめぐる問題などが代表的です。元請から無理な要求を受けた場合でも、事前に適切な契約書が交わされていれば、下請業者は自分たちの権利を主張できます。

また、工事費用の支払いが遅れる、工事費用を支払ってもらえない、などのトラブルも多くあります。契約書に支払い時期や金額を明確に決めておくことは勿論、もし工事内容に変更があった場合や材料費の高騰などで請負金額が変わった場合などのルール設定をしておくことも必要です。

元請と下請の工事契約のリスクは横浜の建設業者必見。工事契約の不履行リスクと弁護士による対策解説

の記事で細かく解説しておりますので参考にご覧ください。

 

弁護士の役割と支援

弁護士は契約書のリーガルチェックだけでなく、トラブルが発生した際の迅速な対応をサポートします。企業が直面するリスクを軽減し、法的なトラブルを回避するための最適なアドバイスを提供します。中小企業の皆さまが安心して事業を展開できるよう、ぜひ弁護士のサポートを活用してください。

契約書や取引に関するご相談をご希望の方は、企業法務に精通した弁護士までお問い合わせください。経験豊富な弁護士が、経営を支援します。

弁護士法人山村法律事務所は、不動産・建築法務、相続・事業承継法務を中心に、企業法務の経験も豊富で、BtoB取引、BtoC取引いずれも対応経験が多い事務所です。

お問い合わせはお問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。

 

弁護士の一言

安定した企業同士の契約書だと「そんなに揉めることないですよ?」と、おっしゃられる方もいるのですが、いざトラブルになった際に、この考えを変えて、リーガルチェック、顧問弁護士等を依頼される企業の方が多いです。

企業間の契約は、新規の取引を開始する前向きな取り決めであることが多いので、いざトラブルへの対応、すなわち「嫌なこと」の想定が不十分なケースが多いのですね。

新規の取引をスタートするだけではなく、その関係性を良好に継続して、さらに相互の取引を充実させるためにも、いざというときの契約書の定めは重要なものなのです。